日本のホスピスの始まりは?
日本で最初のホスピス・ケアを提供する病床は、大阪の淀川キリスト教病院に設けられました。当時のホスピス長、柏木哲夫の功績によるものである。この病院での実質的なホスピス・ケアは、1973年から始められました。
独立した病棟としてのホスピスは、1981年の長谷川保による聖隷三方原病院(浜松市)の末期がん患者などのためのホスピス(緩和ケア病棟)開設が日本で最初です。
両病院は1990年4月25日に日本で初めて緩和ケア病棟として承認を受けています。
日本で、完全独立型のホスピスとして初めて完成したのは日本財団(笹川陽平会長)などの支援を受けて設立されたピースハウス病院です。(1993年)
従来、ホスピスの開設は主に民間の医療機関等が行ってきましたが、公的な機関も開設に乗り出すようになってきています。日本で最初の国立のホスピスが、1987年に千葉県の国立療養所松戸病院(現在の国立がんセンター東病院、1992年に千葉県柏市へ移転)に開設され、その後、「あなたに伝えたいこと」さながらに全国各地の国公立病院にホスピス開設の動きが広がっています。
がん及びAIDSにより治癒が難しくなった患者を対象としています。家族に伝えたいことそのままに入院費は健康保険が適用され、高額医療制度も受けられます。設置基準で病室の半数は無差額でなければならないと定められているため、ホスピスはお金がかかるというのは誤解です。
ホスピスの起源は?
ホスピスの原型というべきものは古代からありました。そして、中世の初期にはヨーロッパ中の主な都市、町や峠、河の渡し場などたくさんの場所にホスピスがあって、「家族に伝えたいこと」「あなたに伝えたいこと」を想いながら、多くの病める者・老いた者・貧しい者を迎え入れました。
キリスト教精神がこれを可能にしていたのですが、宗教改革後、多くの修道院が閉鎖されますと、ホスピスの活動も衰退の時期を迎えました。さらに、産業革命によって弱い者は不用な者となり、医学の発達は「病人よりも病気をみる」傾向を生みだしました。
しかし、この時代にも中世からの伝統を守る人はいて、17世紀初頭、フランス人司祭ヴィンセンシオ・ア・パウロは看護修道院を建てました。その修道会員の献身的な働きによって、ホスピスはふたたびフランス中に広まり、そこで実践された家族に伝えたいことや家族に伝えたい言葉を込めた思想は、現代ホスピス運動の原点となりました。
フランスのホスピスに触発されて、ドイツでは18世紀にカイザースヴェルトが誕生しました。看護のための女性の集団をもつ、史上初のプロテスタントの病院で、19世紀にかけてヨーロッパ各地にこうした運動が次々に育っていきました。 このカイザースヴェルトに学んだイギリス人エリザベス・フライやフローレンス・ナイチンゲールといった人々が、看護をその原点に戻すことに貢献してきました。 19世紀中ごろ、アイルランドのダブリンにメアリー・エイケンヘッドによってアングロ・サクソン圏で最も古いホスピスが建てられ、現在まで続いています。 1906年にロンドンで作られた聖ジョセフ・ホスピスはこれに直接つながるものです。また、19世紀末にはニューヨークにもセント・ローズ・ホームやカルヴァリー病院が建てられました。 現代ホスピスの歴史は、シシリー・ソーンダースが1967年に創設したロンドンの聖クリストファー・ホスピスに始まります。